著名人夫婦の離婚率

島崎 崇

著名人の相性占いに掲載している夫婦、元夫婦について、離婚率などを分析した結果を示します。十干相性占いの相性ランクによる分析と、六十干支相性占いの総合評価による分析の2種類があります。尚、2015年1月にデータを更新しました。


目次

1. 十干の相性による離婚率等の分析
2. 総合評価による離婚率等の分析

1. 十干の相性による離婚率等の分析

著名人の相性占いに掲載している著名人2人組のうち、夫婦又は離婚の組(結婚した男女のペア)について、十干相性占いの4ランクに分類し、離婚率などを調べてみます。

先ず、第0型~第30型の男女2人組は、十干の相性(天の相性)の相性ランクに応じて、下表のように分類されます。

十干の相性
A(最高)5, 15, 25
B(良い)4, 6, 14, 16, 24, 26
C(普通)3, 7, 13, 17, 23, 27
D(悪い)0~2, 8~12, 18~22, 28~30

• 著名人カップルの相性は、生時が不明のものとして2人の生年月日のみから計算されています。この場合、天の相性と十干の相性とは、相性ランクが常に一致します。
• ランクE(最低)は、存在しません。

1.1 離婚率

では、著名人2人組の相性の男女2人組のうち、2009年以前に結婚した男女(142組)を対象として、離婚率を計算してみます。相性ランク別の離婚率は、下表のようになりました。ランクAは低い値に止まっています。その他のランクB, C, Dについては、何れも3割台で大差がありませんでした。この点については、後述します。

ランク夫婦離婚離婚率
A11組2組15%
B22組10組31%
C25組12組32%
D37組23組38%

• 離婚率は、離婚/(夫婦+離婚) と計算されます。例えば、ランクAの離婚率は、2/(11+2)=15%となります。
• 上表には、2010年以降に結婚した新婚夫婦は含まれていません。離婚率の著しく低い新婚カップルを計算から除外することで、より実態に近い離婚率を算出しています。

1.2 結婚期間

次に、離婚した夫婦(49組)について、結婚から離婚までの期間を調べた結果を示します。この結婚期間は、簡略的に、結婚年と離婚年の差から計算しています。又、この離婚組には、2010年以降に結婚したカップル2組も含まれています。下表から、結婚期間は、概ねA, B, C, Dの順に短くなっていることが分かります。ランクAの離婚組は2組しかありませんが、高い値を示しています。

ランク離婚結婚期間
平均値中央値
A2組9.0年9.0年
B11組8.8年7.0年
C12組7.8年5.0年
D24組7.0年5.3年

• 結婚期間の中央値は、結婚期間の順位が中央の組の年数です。例えば、ランクBの11組の結婚期間は、長い順に、19, 17, 16, 11, 8, 7, 6, 5, 3, 3, 2(年)となっています。このうち、順位の中央は6位で、この値は7年です。

1.3 離婚指数

上記の離婚率と結婚期間のデータを利用して、離婚しやすさ、或は離婚リスクを表す指標(離婚指数)を考えることができます。離婚率が高い程、又結婚期間が短い程、離婚リスクが高いと言えるでしょう。そこで、離婚指数は、「離婚率(%)を結婚期間(年)で除した値」と定義します。相性ランクごとに計算した離婚指数は、下表のようになりました。やはり、ランクが高い程、離婚リスクが低いようです。AB間のギャップが大きく、AD間は4倍近くもの大きな差異が生じています。

ランク離婚率結婚期間離婚指数
A15%9.0年1.7
B31%7.9年4.0
C32%6.4年5.1
D38%6.1年6.3

• 結婚期間は、平均値と中央値の平均を用いました。例えば、ランクBの結婚期間は、(8.8+7.0)/2=7.9年となります。平均値は、結婚期間のばらつきが大きいために、母集団の代表的な値から乖離する欠点があります。一方の中央値は、中央から遠いデータを軽視するという欠点があります。そこで、これらの弱点を緩和するべく、平均値と中央値の中間という折衷案を採用することとしました。
• 例えば、ランクAの離婚指数は、15/9.0=1.7と計算されています。

1.4 再婚率

続いて、離婚した人の再婚率を示します。対象となるのは、2011年以前に離婚した人(40組、80人)です。再婚の状況については、著名人2人組の相性に記載している通りです。ランクCが最も高く、5割を超えました。Dも高い値を示しています。一方で、ランクA, Bは低めに留まりました。Aはデータが少なく不安定ですが、一応、最低値を記録しています。

ランク離婚再婚再婚率
A4人1人25%
B18人5人28%
C22人12人55%
D36人16人44%

• 2012年以降に離婚した、離婚後の年数が浅い人は、含まれていません。

1.5 未婚期間

離婚後に再婚した人(34人)について、離婚から再婚までの期間を調べた結果は、下表のようになりました。この再婚者には、2012年以降に離婚した人0人も含まれています。ランクDの期間が最も短くなっています。ランクBとランクCは、平均値と中央値を総合すると、同程度の期間であることが分かります。ランクAは1人のみのデータですが、高い値を示しています。

ランク再婚未婚期間
平均値中央値
A1人6.0年6.0年
B5人5.2年3.0年
C12人4.3年4.0年
D16人3.8年2.8年

1.6 再婚指数

では、上記の再婚率、未婚期間のデータから、再婚指数を求めてみましょう。再婚指数は、「再婚率(%)を未婚期間(年)で除した値」と定義します。離婚指数の場合と同様、この数値は、再婚しやすさを表します。下表の通り、ランクC, Dの再婚指数は高い値を示し、Aが最低となり、Bがそれらの中程に納まりました。CとDの値はほぼ並んでいますが、これらは、Aの3倍を超え、Bの約2倍に達しています。

ランクA或はBで離婚してしまった人は、以前の配偶者への未練が残っているためか、中々再婚に踏み切れない傾向があるようです。一方で、ランクC及びDの離婚者は、未練を感じることなく、新たな配偶者探しに着手できるのでしょう。

ランク再婚率未婚期間再婚指数
A25%6.0年4.2
B28%4.1年6.8
C55%4.1年13.2
D44%3.3年13.5

• 離婚指数の場合と同様に、未婚期間は、平均値と中央値の平均を用いました。例えば、ランクBの未婚期間は、(5.2+3.0)/2=4.1年となります。
• 例えば、ランクAの離婚指数は、25/6.0=4.2と計算されています。

1.7 ランクB, C, Dの離婚率

以上の分析でも、十干相性占いが男女の相性を良く言い当てていることが分かりますが、更に一点述べておきます。それは、ランクB, C, Dの離婚率が近似していることです。これに対する合理的な説明を探すため、著名人2人組の相性のカップルを具体的に見てみましょう。

ここで、ランクBの中で、天の相性だけでなく、気の相性、地の相性共に高い水準を誇る第4型に着目します。この型のカップルに離婚組が多いことは、一見、奇異に映ります。しかし、個々の離婚組を見ると、何れも、いわゆる肉食系の人が絡んでいることに気付きます。彼らは、多くの異性の中から、最も相性の良い第4型の人を結婚相手として選だものと考えられます。事実、この型には、際立って仲睦まじいカップルが多く見られます。ところが、後に一方が他の異性に手を出してしまい、結局それが引き金となって離婚しています。離婚原因は、決して相性の悪さではありません。又、第4型以外の型についても、ランクBの離婚組には、仲が良いのに別れてしまった夫婦、或は別れても仲良しの元夫婦が目に付きます。

一方で、ランクDの夫婦を概観してみると、仲の悪さが評判のカップルが何組か見受けられるものの、逆に仲睦まじい夫婦は殆ど見当たりません。ランクAの夫婦と比較すると、その違いが良く分かるでしょう。そして、Dには、草食系の人が少なからず存在します。つまり、典型的なランクDの夫婦は、相性を考慮せずに結婚し、その後に何らかのきっかけで離婚するか、そうでない場合は、相性の悪さをお互いの努力によって取り繕い、どうにか結婚生活を続けているのです。

ランクB, C, Dの離婚率が近似している背景には、相性以外の理由によって離婚するBの夫婦と、相性が悪くても離婚に至っていないDの夫婦の存在がありました。即ち、相性ランクB, C, Dの間には、離婚率の数値に現れない差異が潜んでいるのです。


2. 総合評価による離婚率等の分析

十干相性占いと同様に、著名人の相性占いに掲載している夫婦又は離婚の組について、六十干支相性占いに基づく分析を示します。六十干支相性占いでは、総合評価の5ランクに分類されています。

先ず、第0型~第30型の男女2人組は、総合評価(男女)の相性ランクA~Eによって、下表のように分類されます。

総合評価
A(最高)4, 5, 15
B(良い)3, 6, 14, 16, 25
C(普通)0~2, 7~10, 13, 17, 20, 24, 26
D(悪い)11, 12, 19, 21~23, 27, 28
E(最低)18, 29, 30

2.1 離婚率

では、男女2人組のうち、2009年以前に結婚した男女(142組)を対象として、離婚率を計算してみます。相性ランク別の離婚率は、下表のようになりました。離婚率は、ランクBが低く、ランクDが高い値を示しています。意外にも、ランクAとEは、共に中程の値になりました。この理由については、後述します。

ランク夫婦離婚離婚率
A9組5組36%
B20組5組20%
C46組20組30%
D16組15組48%
E4組2組33%

• 離婚率は、離婚/(夫婦+離婚) と計算されます。例えば、ランクAの離婚率は、5/(9+5)=36%となります。
• 上表には、2010年以降に結婚した新婚夫婦は含まれていません。離婚率の著しく低い新婚カップルを計算から除外することで、より実態に近い離婚率を算出しています。

2.2 結婚期間

次に、離婚した夫婦(49組)について、結婚から離婚までの期間を調べた結果を示します。この結婚期間は、簡略的に、結婚年と離婚年の差から計算しています。又、この離婚組には、2010年以降に結婚したカップル2組も含まれています。下表から、結婚期間は、ランクBが最も長いことが分かります。ランクEの離婚組は2組しかありませんが、低い値を示しています。

ランク離婚結婚期間
平均値中央値
A6組6.8年6.0年
B5組11.2年8.0年
C20組7.1年4.7年
D16組8.1年7.3年
E2組4.5年4.5年

• 結婚期間の中央値は、結婚期間の順位が中央の組の年数です。例えば、ランクAの6組の結婚期間は、長い順に、13, 11, 7, 5, 3, 2(年)となっています。このうち、順位が中央の値は、3位と4位の中間を取り、(7+5)/2=6年となります。

2.3 離婚指数

上記の離婚率と結婚期間のデータを利用して、離婚しやすさ、或は離婚リスクを表す指標(離婚指数)を考えることができます。離婚率が高い程、又結婚期間が短い程、離婚リスクが高いと言えるでしょう。そこで、離婚指数は、「離婚率(%)を結婚期間(年)で除した値」と定義します。相性ランクごとに計算した離婚指数は、下表のようになりました。Aを除いては、然るべき順に並んでいます。Bの低さが目立ちますが、C, D, Eは漸増しています。

ランク離婚率結婚期間離婚指数
A36%6.4年5.6
B20%9.6年2.1
C30%5.9年5.2
D48%7.7年6.3
E33%4.5年7.4

• 結婚期間は、平均値と中央値の平均を用いました。例えば、ランクBの結婚期間は、(11.2+8.0)/2=9.6年となります。平均値は、結婚期間のばらつきが大きいために、母集団の代表的な値から乖離する欠点があります。一方の中央値は、中央から遠いデータを軽視するという欠点があります。そこで、これらの弱点を緩和するべく、平均値と中央値の中間という折衷案を採用することとしました。
• 例えば、ランクAの離婚指数は、36/6.4=5.6と計算されています。

2.4 再婚率

続いて、離婚した人の再婚率を示します。対象となるのは、2011年以前に離婚した人(40組、80人)です。再婚の状況については、著名人2人組の相性に記載している通りです。ランクA, Bは低めで、C, Dは高めの値になりました。又、Eはデータが少なく、流動的ですが、低い値を示しました。

ランク離婚再婚再婚率
A10人3人30%
B8人2人25%
C32人16人50%
D26人12人46%
E4人1人25%

• 2012年以降に離婚した、離婚後の年数が浅い人は、含まれていません。

2.5 未婚期間

離婚後に再婚した人(34人)について、離婚から再婚までの期間を調べた結果は、下表のようになりました。この再婚者には、2012年以降に離婚した人0人も含まれています。ランクAのみ突出して高い値を示しています。その他は、余り差がないようです。

ランク再婚未婚期間
平均値中央値
A3人6.7年6.0年
B2人3.0年3.0年
C16人3.9年3.3年
D12人4.3年3.0年
E1人3.0年3.0年

2.6 再婚指数

では、上記の再婚率、未婚期間のデータから、再婚指数を求めてみましょう。再婚指数は、「再婚率(%)を未婚期間(年)で除した値」と定義します。離婚指数の場合と同様、この数値は、再婚しやすさを表します。下表の通り、再婚指数は、ランクAが低く、BとEは中程に位置し、ランクCとDが共に高い値を示しました。

ランクA或はBで離婚してしまった人は、以前の配偶者への未練が残っているためか、中々再婚に踏み切れない傾向があるようです。一方で、ランクC及びDの離婚者は、未練を感じることなく、新たな配偶者探しに着手できるのでしょう。ランクEの離婚者については、結婚の失敗経験がトラウマになり、再び間違った相手を選んでしまうことへの恐れから、再婚する気が失せてしまっているのかも知れません。

ランク再婚率未婚期間再婚指数
A30%6.3年4.7
B25%3.0年8.3
C50%3.6年13.8
D46%3.7年12.6
E25%3.0年8.3

• 離婚指数の場合と同様に、未婚期間は、平均値と中央値の平均を用いました。例えば、ランクAの未婚期間は、(6.7+6.0)/2=6.3年となります。
• 例えば、ランクAの離婚指数は、30/6.3=4.7と計算されています。

2.7 不相応な数値の原因

以上の分析から、ランクB, C, Dについては、概ね納得の行く結果を得ることができました。しかし、ランクAとEについては、六十干支相性占いの信憑性に疑問を抱かせるような数値が幾つか見られます。これらの原因について、以下に説明します。

先ず、ランクAの高すぎる離婚率の原因を探ります。ランクAのうち第4型には、離婚組が多く目につきます。実は、これがランクAの離婚率を押し上げていたのです。そして、個々の離婚組を見ると、何れも、いわゆる肉食系の人が絡んでいることに気付きます。彼らは、多くの異性の中から、最も相性の良い第4型の人を結婚相手として選だものと考えられます。事実、この型には、際立って仲睦まじいカップルが多く見られます。ところが、後に一方が他の異性に手を出してしまい、結局それが引き金となって離婚しています。離婚原因は、決して相性の悪さではありません。

離婚率、離婚指数が不相応に高く出たランクAですが、再婚率は低めの値を示し、再婚指数については最低値を記録しています。前述の通り、ランクAの離婚者には、第4型を中心に肉食系の人が多く含まれていますが、彼らといえども、恐らくは前配偶者への未練から、再婚には二の足を踏んでいるのでしょう。

次に、ランクEの結果を振り返ります。ランクEは、離婚指数こそ最高値を記録しましたが、離婚率は低い値に止まりました。第18, 29, 30型がランクEに該当しますが、これらのカップルを見回してみると、険悪な関係にある、又はそれが疑われる夫婦が何組か思い当ります。つまり、相性が良いのに離婚してしまう第4型のカップルとは逆に、相性が悪いのに何らかの理由で離婚しない夫婦の存在が、ランクEの離婚率を低く抑え込んでいるのです。

このように、ランクAとランクEについては、離婚率等の数値のみから考えると、確かに違和感を覚えます。しかしながら、個々のカップルの様子を具体的に見てみると、やはり各相性ランクが的確であると思い知らされます。


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© 2013 島崎 崇
更新: 2015年1月3日