六十干支の計算方法

島崎 崇

十干の計算方法では、生年月日から十干を計算する方法を紹介しました。このページでは、一歩進んで、生年月日の十干と十二支を同時に計算し、その組み合わせから六十干支を求める方法を解説します。計算方法は、簡便法と一般法がありますが、何れも十干の場合と同様の考え方に基づいています。


目次

1.1 簡便法による六十干支の求め方
1.2 簡便法の計算例
2.1 一般法による六十干支の求め方
2.2 一般法の計算例

1.1 簡便法による六十干支の求め方

簡便法は、西暦1901年から西暦2099年までの期間に限って有効です。これ以外の期間については、一般法を用いてください。計算手順は、先ず、生年月日から、以下に説明する変数A, B, C, Dを求めます。そして、これらの和Z=A+B+C+Dから十干と十二支を割り出すと、六十干支が判明します。


A: 生年の変換

生年から1900を引き、これを5倍した数をAとします。
A=5*(生年-1900)


B: 閏年の調整

生月によって計算式が変わります。

(i) 3月~12月生まれの場合
生年から1900を引き、これを4で割ります。そして、この整数部分(小数点以下を切り捨てた数)をBとします。
B=[(生年-1900)/4]

• [X] は、Xの整数部分を表します。例えば、[15.6]=15となります。

(ii) 1月又は2月生まれの場合
「生年の前年」から1900を引き、これを4で割ります。そして、この整数部分をBとします。
B=[(生年-1-1900)/4]


C: 生月の変換

Cは、表1から、生月に応じた値を求めてください。


表1

生月1,52, 634789101112
C940839104112421343

D: 生日

生日がそのままDとなります。


Z=A+B+C+D

Z=A+B+C+Dを計算し、この一の位をNとします。又、Zを12で割った余りをMとします。Nが十干に対応し、Mが十二支に対応しています。表2、表3から、十干と十二支を求め、それを組み合わせると、六十干支が判明します。

表2

N0123456789
十干

表3

M01234567891011
十二支

1.2 簡便法の計算例


例1: 1939年12月3日

A: A=5*(1939-1900)=195
B: 12月により、B=[(1939-1900)/4]=[9.75]=9
C: 表1から、12月は、C=43
D: D=3
以上から、Z=A+B+C+D =195+9+43+3=250
この一の位は、N=0
よって、表2から、十干は甲(きのえ)となります。
又、250=12*20+10より、M=10
従って、表3から、十二支は戌(いぬ)となります。
即ち、1939年12月3日生まれの人の六十干支は、甲戌(きのえいぬ)と判明しました。


例2: 1984年6月25日

A: A=5*(1984-1900)=420
B: 6月により、B=[(1984-1900)/4]=[21]=21
C: 表1から、6月は、C=40
D: D=25
以上から、Z=A+B+C+D =420+21+40+25=506
この一の位は、N=6
よって、表2から、十干は庚(かのえ)となります。
又、506=12*42+2より、M=2
従って、表3から、十二支は寅(とら)となります。
即ち、1984年6月25日生まれの人の六十干支は、庚寅(かのえとら)と判明しました。


例3: 2012年1月1日

A: A=5*(2012-1900)=560
B: 1月により、B=[(2012-1-1900)/4]=[27.75]=27
C: 表1から、1月は、C=9
D: D=1
以上から、Z=A+B+C+D =560+27+9+1=597
この一の位は、N=7
よって、表2から、十干は辛(かのと)となります。
又、597=12*49+9より、M=9
従って、表3から、十二支は酉(とり)となります。
即ち、2012年1月1日生まれの人の六十干支は、辛酉(かのととり)と判明しました。


2.1 一般法による六十干支の求め方

以下に紹介する一般法は、あらゆる西暦年(現行のグレゴリオ暦)に対応しています。計算手順は、先ず、以下のA, B1, B2, B3、及び簡便法と同様のC, Dを求めます。そして、Z=A+B1-B2+B3+C+Dを計算し、ここから十干と十二支を割り出すと、六十干支が判明します。


A: 生年の変換

生年を12で割った余りを求め、これを5倍した数をAとします。
A=5*(生年を12で割った余り)

• Aは、単に生年の5倍(A=5*生年)としても構いません。この場合、数値が大きくなりますが、最後に算出される干支は一致します。


B1: 4年毎の閏年の調整

生月によって計算式が変わります。

(i) 3月~12月生まれの場合
生年を4で割り、この整数部分をB1とします。
B1=[生年/4]

(ii) 1月又は2月生まれの場合
「生年の前年」を4で割り、この整数部分をB1とします。
B1=[(生年-1)/4]


B2: 100年毎の閏年の調整

B1と同様に、生月によって場合分けします。

(i) 3月~12月生まれの場合
生年を100で割り、この整数部分をB2とします。
B2=[生年/100]

(ii) 1月又は2月生まれの場合
「生年の前年」を100で割り、この整数部分をB2とします。
B2=[(生年-1)/100]


B3: 400年毎の閏年の調整

B3も、B1, B2同様の計算式になりますが、次のように、B1の結果を利用することもできます。

B1を100で割り、この整数部分をB3とします。
B3=[B1/100]


Z=A+B1-B2+B3+C+D

Z=A+B1-B2+B3+C+Dを計算し、この一の位をNとします。又、Zを12で割った余りをMとします。そして、N, Mから十干と十二支を割り出すと、六十干支が判明します。Nと十干の対応、Mと十二支の対応は、簡便法と同様、それぞれ、表2表3によります。


2.2 一般法の計算例


例1: 1939年12月3日(簡便法の例1と同日)

A: 1939=12*161+7より、A=5*7=35
B1: 12月により、B1=[1939/4]=[484.75]=484
B2: 12月により、B2=[1939/100]=[19.39]=19
B3: B3=[B1/100]=[4.84]=4
C: 表1から、12月は、C=43
D: D=3
以上から、Z=A+B1-B2+B3+C+D =35+484-19+4+43+3=550
この一の位は、N=0
よって、表2から、十干は甲(きのえ)となります。
又、550=12*45+10より、M=10
従って、表3から、十二支は戌(いぬ)となります。
即ち、1939年12月3日生まれの人の六十干支は、甲戌(きのえいぬ)と判明しました。このように、Zの値が簡便法と異なっても、干支は一致します。


例2: 1756年1月28日

A: 1756=12*146+4より、A=5*4=20
B1: 1月により、B1=[(1756-1)/4]=[438.75]=438
B2: 1月により、B2=[(1756-1)/100]=[17.55]=17
B3: B3=[B1/100]=[4.38]=4
C: 表1から、1月は、C=9
D: D=28
以上から、Z=A+B1-B2+B3+C+D =20+438-17+4+9+28=482
この一の位は、N=2
よって、表2から、十干は丙(ひのえ)となります。
又、482=12*40+2より、M=2
従って、表3から、十二支は寅(とら)となります。
即ち、1756年1月28日生まれの人の六十干支は、丙寅(ひのえとら)と判明しました。


例3: 2112年9月3日

A: 2112=12*176+0より、A=5*0=0
B1: 9月により、B1=[2112/4]=[528]=528
B2: 9月により、B2=[2112/100]=[21.12]=21
B3: B3=[B1/100]=[5.28]=5
C: 表1から、9月は、C=12
D: D=3
以上から、Z=A+B1-B2+B3+C+D =0+528-21+5+12+3=527
この一の位は、N=7
よって、表2から、十干は辛(かのと)となります。
又、527=12*43+11より、M=11
従って、表3から、十二支は亥(い)となります。
即ち、2112年9月3日生まれの人の六十干支は、辛亥(かのとい)と判明しました。


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© 2014 島崎 崇
更新: 2014年7月12日